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〇〇エンジニアの肩書のつかない、冠器用貧乏な炭鉱のカナリア

Rist Meetup 2024「Kaggleは業務の役にたつ」に参加してきました

はじめに

2024年10月12日(土)に開催された、Rist Meetupに参加してきました。 Techイベント界隈には「ブログを書くまでがイベント」という言葉があるので、今回も書いていきます。

Ristさんといえば、Kaggle界隈では国内のGrandmasterの大半はここに集まっているのでは?いっても過言ではないくらい多数のGMが在籍している企業さんであり、業務時間を利用したKaggle参加を認め、そこで培ったスキルをデータ分析や顧客の課題解決に実際に役立てている素晴らしい営みが有名だと思います。
そんな企業主催で「Kaggleは業務の役にたつ」をテーマに話が聞けるとあっては!という事で参加してきたよという内容になります。

なお、今回は企業主催イベントで写真撮影がOKだったか分からなかったので、あまり写真は撮ってないです。

講演パート

とある事業会社にとってのKagglerの魅力(hakubishinさん)

Kaggleが役に立つかを話す前に、ご自身の携わっている業務や経歴といったバックグラウンド、Wantedlyにおけるデータサイエンティストとはといったお話からスタートする丁寧な講演でした。

Kaggleで得た知見が業務上不可欠だった≒直接役に立った事はあまり多くないものの、Kaggleを通じて専門能力とコンピテンシーの両面を伸ばしていけるので業務で大きな成果を出すために必要な汎用的な能力が身につく。といったお話でした。

普段業務でジュニアクラスのエンジニア相手にキャリアの話をしたりしているので、Kaggleで得られる能力と、Kaggle外で得られる能力。そのかけ合わせで唯一無二のバリューを出していく。といった内容は刺さるものがありました。

最後は、「ここまで話した能力はKaggleでは無くても身につけることが出来るが、楽しめて熱中できるものがあなたにとってKaggleだとすればそれが最高の成長機会だ」とまとめられていて、終始非常に丁寧なストーリーの講演でした。

Competitionsだけじゃない! Kaggle Notebooks Grandmasterのすすめ(corochannさん)

以前からこの内容で話したいと言っていたらその機会をいただけたという、日本人初のNotebook GMであるcorochannのご講演です。

本筋の内容ではないのですが、Notebookを書く目的として「Kaggle Platformで楽しませてもらっていることの恩返しとして、感謝の気持でContribution Backしよう!」と仰っていたのが印象的でした。 コミュニティイベントを運営したり参加したりするなかで、アンケートに答えたりこうやってブログ書いているのも感謝の気持でフィードバックをという行動ではあるので、そういう還元の仕方があるのかという考え方は目からウロコです。

本編もDone is better than perfectで公開までのスピード重視で、To be updatedと書いて出してしまってもいいよ等、かなり実践的なNotebookでupvoteを得るためのTipsが紹介されていて非常に面白い講演でした。

私はソフトウェアエンジニアであってデータサイエンティストではないので、キレイな?イカした?実装をチュートリアル的に公開してNotebookのupvote狙ってみるのもありかもと感じたので、今後の戦略を考えてみようと思います

なぜKaggleでベストを尽くさないのか(RabotniKumaさん)

めちゃくちゃインパクトのある導入から始まった、Kumaさんによる後半戦開始の講演です。
余談ですが私のバックグラウンドは名古屋出身の映像・デザイン系なので、堤幸彦監督に作った作品を見てもらったりしていた学生時代でした。

内容は打って変わって非常に真面目な内容で、月間Kaggleは役に立たないで出てきがちな「AUC0.001あげても意味ないよね?」「テストデータに対するパラメータチューニングしてるだけじゃん」のようなコメントに(エアプでしょと一蹴しながらも)一つ一つ掘り下げていって否定していく様は、ある種大学の講義チックで非常に面白かったです。

ハッシュタグでも盛り上がっていたのが「KaggleはF1(レースカー)である」の例えでした。

各メーカーのフラッグシップ技術を集めて0.1秒を争うF1カーをKaggleのソリューションに例え、シートベルトやサスペンションなど乗用車に技術が活かされるプロセス同様、そこでつくられたモデル・重みそのものではなく、多数の実験と評価を繰り返し一般化された集合知へと昇華させていくことで実際の現場で使える知見になると解釈しましたが、非常に納得感ある説明だったと思います。

最後の質疑は身も蓋もないなーと思いながら笑っていました。

Kaggle駆動ソリューション / プロダクト開発(ishikeiさん)

招待講演ではなくRist社から、ishikeiさんによる自社におけるKagglerと業務の取組みに関するお話でした。

資料はこちらに公開いただいているようです

Kagglerと受注案件のミスマッチを無くしたいという思いが伝わってくる内容の講演でしたが、誰がどのコンペに参加してどんな成績を残してといったことをしっかり管理しているとのこと。

Kaggleがどうだとかは関係なく、あらゆる技術組織がスキルマップやらなんやらツールを駆使してやりたいと思いながらやりきれていないことに対して、Kaggleという共通言語をもって解決していてすごいなの一言です。 「あのコンペ」の一言で解き方が伝わるので、それに必要な技術・能力が逆引きできるって言われてみればそうなんですが、GMが集まっているからこそ出来る様な気もするしで悩ましいので、どこか一般化・汎用化して自分の業務に役立てられないかは考えていきたいなと思いました。

チームのミーティングとしてKaggleのソリューション紹介だったりがあって、そういった場に営業のロールであっても参加して、自分たちを打ってもらうために営業向け資料を準備して。社風などもあると思いますが、実力をフルに発揮できるような環境づくりに取り組んでいる成果なのでしょう。我々Kagglerの一つの組織ロールモデルとしてRistさんにはどんどん目立ってほしい。そんなことを思うような講演でした。

仕事が楽しすぎるような組織。 業務では先頭たって現場でという立場でも無くなってきたので、そういった物を築いていかねばなあ。

LTパート

Kaggle は業務の役にたつ - ビジネスコンテンツ情報を活用する BtoB 事業編 -(Taro Masuda さん)

Kagglerサッカー部のユニフォームで登場した、LT一本目は某新聞系のデータ活用のお話でした。

新聞系なのでNLP技術がメインにセンテンス単位で意味獲得・抽出を行っていくにあたって、Human in the Loopでデータのアノテーションモデリングの取り組みであったり、NLPのモデル開発でwandbをどうやって使っているかの紹介が非常に参考になりました。

Kaggleはデータサイエンティストになるために役に立つ(Kento Okumura さん)

趣味でやっていたKaggleの成果をアピールしてデータサイエンティスト分野の業務が出来るように異動できたよというお話でした。

技術やノウハウを分析業務に活かせているのも素晴らしいと思いますが、大きな会社さんでも会社としてそういった取り組みを支援して、広報がアピールしてくれているというのが少し驚きました。 おそらく勝手にやってくれたではなく、上層部などに声を届けるために苦労されたのだと思いますが、ishikeiさんの「実力をフルに発揮できるような環境づくり」という話が頭をよぎる発表でした。

ソフトウェアエンジニアの立場としては、(大企業のあれこれもあったのだと思いますが)SEも楽しいよー?、EM(Engineer Management)みたいなマネージャキャリアもやりがいあるよー?と思ったり思わなかったり。

kaggle notebook での LLM 推論高速化 (Kota Iizuka さん)

最後はFixstarsのエンジニアによるLLM推論高速化のお話。

業務的にも趣味的にもvLLMちょっと興味あるんだよねー、なんか持って帰れるといいなーと思って軽いノリで話を聞き始めたのですが、6時間の推論が7分15秒に短縮出来たと聞いて驚き。

こんなんやらない理由がないですやん?となったのですぐやります。すぐ勉強します。

懇親会

少し驚いたので特筆したくて書くのですが、懇親会で皆さん食事にあまり手を付けなかったんです。 普段勉強会に参加されない方は意味がわからないかもしれませんが、大体は食事があるテーブルまわりに固まって2時間あるうちの1時間位で食事が無くなってしまって、足りないので2次回に行くのが多くの勉強会パターンなんです。

Rist MeetupというかKaggerの皆さんは本当に勉強熱心なんだと思うのですが、ずっと誰かとお話されていて、中央に用意された食事テーブルの遠くの方にも会話の円が広がってあちこちで色んな情報交換がされていたのが非常に印象的でした。
※お寿司とホタテベーコンのやつ美味しかったです!

食事テーブル付近で喋っている円も、誰かが食事を取りに来るとテーブルから離れたところに移動して会話が続いていくんです。

「寝食を忘れるような強く熱中できる環境こそが能力向上に大きく寄与する」

これはhakubishinさんの講演の最後のスライドの言葉ですが、まさにコレをみた気がします。

おわりに

前回関東Kaggler会に参加して、生意気にもちょっと残念に思ったポイントをピックアップして参加レポを書いてしまいました。 nakakiiro.hateblo.jp

コミュニティイベントなので参加者もコミュニティを盛り上げる一人の気持ちでいたのですが、コレが反響があったようで今回主催のishikeiさんから「名札の色分けをオープニングセッションで説明したり、参考にさせてもらいました」とお声掛けいただき、ありがたいやら申し訳ないやらです。

懇親会含めてものすごく楽しませてもらい、2次回までお邪魔させてもらいましたし、yukiシールも初ゲットしたので晴れてKagglerの仲間入りした気分です。

改めて皆様ありがとうございました。

懇親会のゴミ捨て案内や、寿司の醤油が片方にしかなかったので置き直したり、ビールを段ボールから取り出すお手伝いをしていたり、話したいと言っている人をアテンドしていたり、振り返るとお前は何なんだという動きをしていましたが、裏方作業が好きでしょうがない性分なんだろうなぁ。

おまけ(運営フィードバック)

各種イベント運営やっていると進行へのフィードバックって得にくいのは感じるので、せっかくなので(?)気になったポイント書いておきます。※悪口とかそういう意図ではないです。

受付でconnpassのIDなのか、QRなのか何をお伝えすればいいのか分からなくてちょっとワタワタしてました。TwitterIDとconnpassIDが違う方もいると思うので、イベントの説明に「受付でxxをお見せください」とか書いてあるとスムーズだったかもしれません。

懇親会では皆さん情報交換に熱中されていたので、XXさんと話したいけど少し会話が止まるまで待ちます。みたいなのがちょこちょこみられました。パックマンルールなどを持ち込んで輪に入りやすいよう促すのも効果的かもしれません。途中で知ってる人同士で固まらずに~という運営アナウンスのお陰で色々な方と話すきっかけにもなったのでとても良かったです。